「解像度」について解説します。
「解像度が高い」や「解像度が低い」という言葉をよく聞きますが、実はこの言葉、人によって捉え方がバラバラな危うい表現だったりします。「解像度が高い」 といっても、
- 画像に設定されている dpi 値が高い
- 相対的に密度の高い画像データである
などの捉え方があり、文脈によって意味合いは異なります。
例えば「幅 2000 ピクセル、高さ 1500ピクセル」の画像があったとします。この「ピクセル(pixel、pxなどと表記される)」という単位は、あくまでコンピュータの中での表現であり「現実世界で、実際に何センチある」というものではありません。
さて、先ほどの 2000 x 1500 px という画像は、高解像度でしょうか? 低解像度でしょうか?
スマートフォンの小さな画面で見る分には十分な高解像度かもしれませんが、巨大なポスターとして印刷したらピクセルの粗が目立って十分な解像度があるとは言えないでしょう。
イラストや漫画で「解像度」と言えば、ピクセルの密度のことです。
「dpi」(dot per inch) と呼ばれるもので、「1インチあたりのドット数(ピクセル数)」 のことです。1インチは、2.54 cm です。つまり2.54 cm に何個ピクセルを並べられるか、という値になります。
もちろん、dpi が高いほど画像の密度が高くなり解像度は高くなります。「カラーイラストには 350 dpi、モノクロ本文には600 dpi 必要」なんてよく言われますね(印刷所によって推奨 dpi は異なります)。
何度も言って申し訳ないのですが、dpi はあくまで「現実世界に出力した時に、どれだけの密度を持つか」という値です。コンピュータ上で作業するだけなら、気をつけて設定する必要はありません(とりあえず 350 dpi や 600 dpi にしておけばOK)。
ちなみに、「解析度(かいせきど)」ではなく「解像度(かいぞうど)」なので間違えないようにしましょう!